ivataxiのブログ

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紫のバラ

中学校の3年の時に、運動部も終わったので「マンガ研究会」を作った。その中の女子が「花とゆめの研修生」になったと後で知った。結局、普通に奥さんになって、漫画家にはならなかったようなのだが。ともかく、神田辺りの古本屋で「花とゆめ初刊から」というのを見つけて、買って帰った。金額は覚えていないが重かった。参宮橋の四畳半は不幸と思えば不幸なのだが、ぼくにとっては好きなマンガが読めるお城の内部のようでもある。いくつも面白い連載がある中に「ガラスの仮面」というマンガがあった。知らない人は全巻揃えて読むと良いかも。「紫の薔薇」というのが大切なアイテムなのだが、当時は「紫色の薔薇なんてありえない」という設定の中あえて出されたアイテムだったのだと思う。数年前「ガーデンパーク」の「薔薇の館」に「青い薔薇」が展示されていた。パンジーとかスミレ(同じ?)の青い遺伝子を薔薇に加えたのだとか。現在は科学技術が進んで過去のマンガの中にしか存在できなかった「紫の薔薇」さえ、創りだすこともできそうな勢いなのだ。考えたら、本当は「紫の薔薇」を作ることが大切なのではない。少女が背中に薔薇をしょうシーンで、恋に恋する乙女ゴコロを表現する一環としての「紫の薔薇」だったのだと思うのだ。もしも紫の薔薇が発光ダイオードみたいに日本人の手で作られたなら、それはそれで価値があるだろう。ノーベル賞がまた増えるかも知れない。でも、その時は、別なありえないアイテムをマンガに登場させるのもいいのかも知れない。