ivataxiのブログ

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焼肉屋さん 渋谷

焼き肉を食べる習慣がないのは嫌いだからではない。いや、むしろ大好きなのだが経済が伴わないのだ。それが習慣化して焼き肉・肉食から遠い生活となり、周囲からはベジタリアンなんじゃ?と思われているかも知れない。大阪から関東に出た時には、住む場所もないから困った。高校3年の受験の時には、東京・千葉・埼玉にいるおじさんたちのお宅にお邪魔した。神奈川の専門学校に通うことになり、遠いこともあるし神奈川に住居を求めなくてはという思いがあった。中学の二年の時に解散したバレーボール部を復活させて新たに作りなおしたのだが、ぼくがキャプテン・マネージャー・監督を兼任のやっと6人ギリギリで学校にクラブ申請をした。その時のメンバーの一人がすごいジャンプ力だった。彼は、負けてばかりのチームなのに大阪の海外遠征チームとテレビ対決する選抜メンバーになった。また、400mに記録保持者で、その辺りから神奈川の有名高校ラグビー部に入ったようだった。「高校を卒業したらオレの部屋が空くから、監督にいうたろか?」という軽い言葉が現実になった。春からその高校のラグビー部合宿所の住み込み飯炊き男のバイトをすることになった。他の部員は一部屋に数人だったから良い待遇だ。結局、そこは一年で出された。監督が何を考えているのか、誰もわからないし、監督に進言できる人もない。時々、監督は渋谷の焼き肉屋さんに連れて行ってくれた。名前も忘れたが、有名で古くて高額な店だったはずだ。高校のラグビーやPTAなどの関係者が集まっていたから、当時のセレブ会合だったのだろう。「お前は何も考えず、とにかく食え。口を開けたら見える位に食え」と、言われた。だが、そこまでたくさんは食べれなかった。おそらく胃袋は一杯に成ったが、口からは見えなかったはずだ。焼き肉は美味しいから好きだが、そんな高額な店に行って、口から見える位に食べ過ぎたのは18才になったばかりのその渋谷の店だけである。