ivataxiのブログ

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カテキョ

家庭教師というと頭のいい人がするバイトのようだが、行きがかり上18才の一年間週末だけのバイトを紹介していただいた。専門学校に通っていた身分だから、普通は有名大学の生徒がすべきなのだが、紹介者の恩に報いる形でぼくにその家族の人がバイト料を支払っているという感じだった。一人っ子の高校一年の男の子で、ただ一緒にご飯を食べたり、テレビを見たり、時には宿題の横にいた。お父さんは読書家で「先生、どれでも本読んでいいから」と、本を貸してくれた。通っていた専門学校も、建物は古いが専門書が宝の山みたいにある図書館だったし、時には神田の古本屋でも安く本は買えたから、長い電車での移動の時はいつも本を見ていたと思う。当時は「睡眠は悪だ」という無意識があり、移動の最中本を読んでいて鼻血が出たこともあった。一年で家庭教師のバイトの男の子は成績が上がったようだ。良かった。「エクソシスト」を、彼と一緒に見に行って「怖い」といえなかったのがトラウマ。今も、ホラーがダメなのだ。