ivataxiのブログ

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ムカデ

ムカデを見た。そういうのが珍しいというのは、地面をコンクリートで覆いかぶせた生活が都会的だと考える現在の日本の病いかもしれない。35年ほど前にこの静岡の家を訪れた時にも、ムカデを見た。この驚きは相当な物だった。布団のヘリにそってマイペースに移動するムカデを邪魔することもできずに目で追うしかなかった。手のひらくらいの長さで赤紫色で、ブドウが数珠みたいにつながって歩いているみたいだが、おいしそうだとは思えなかった。昨夜のムカデはもっと黒くて、やはり巨峰みたいにみえるが、でもおいしそうだとは思えない。足はゲジゲジみたいに手抜きな形ではなく、しっかりと充実した実が入っていて、ロボットの関節を思わせる形だが、良くもつれないなと感心する波打つような動きの足並みがそろって「ムカデ競争」のようだった。やはり、お布団に入れて一緒に寝たいとは思えない。あまり成長していない人格なのである。