ivataxiのブログ

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ロバートデニーロ

二浪して私立に通うことになる。関東で最初の「溝の口の専門学校」の頃に出会った「住み込みで飯炊きのバイトをしていたラグビー部合宿所」のあった新丸子の薬局のおじさん(10才年上)が「大学の間、バイトしないか?」と、いってくれてお世話になった。彼らは夫婦でアメリカにいたことがあるようで、時々、店をぼくに任せて(奥さんのお姉さん・妹がお目付け役で見に来ていたが)アメリカに家族で旅行に行っていた。彼が「タクシードライバーという映画が良かった」と、当時いっていたのを忘れていた。1973年の映画だ。主演がロバートデニーロで、当時は無名に近く、後に「ディアハンター」「ゴッドファーザー」などで有名になる。ぼくも映画好きで休みには一日映画館で、同じ映画を見たり、いくつかの映画館をハシゴしたり、数本立てというのを満喫していたが、まだレンタルという概念がなく、どんどん映画は目の前からツイッターのタイムラインみたいに消える物だった。最近レンタルで「タクシードライバー」を借りた。まだ、最初しか見ていない。「何でこれが名作なの?」と、思っている最中だが、ここから展開するに違いない。一つわかったのは「薬局のおじさんが暮らした頃のアメリカの幻影がそこにはある」ということだ。行ったことのない人にはそうでもないが、暮らしたことがある人にとってはまるで1970年前後のニューヨークを歩いているような感覚に違いないのだ。おじさんは鼻の下にいつも風と共に去りぬの男優みたいなヒゲを蓄えていた。それをすっかりもし剃れば「ロバートデニーロ」そっくりだろう・・ということにも、今頃気づいてしまった。