ivataxiのブログ

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良く今も夢では空を飛べる

良く今も夢では空を飛べる。地面スレスレでどこまでも浮いていたりして気持ち良い。時には階段を踏み外したみたいに落ちそうになり、布団の中で足を蹴ることもある。子供の頃にテレビが家に来たのは幼稚園前だった。まだ足がついたチャンネルは回すタイプの白黒テレビだが、大事そうにオヤジがラビットというスクーターで買って運んで来たのだった。それまではラジオがかかっていただろうが、子供としてはあまり興味を覚えなかった。アニメもドラマもアメリカの物を日本の声優さんが吹き替えでそのまま上映していた。だから西部劇の騎兵隊やインディアンが上手な日本語で話すのが不思議だった。声優さんも愛川欽也さんなど主だった人が掛け持ちしていて、どうしてキャラが違うのに同じ声なのか不思議だった。特撮というのが幼児のぼくには理解できず、テレビの中のことが実際にできると信じていた。「スーパーマン」という、おじさんが恥ずかしいカッコウに着替えてマントをヒラヒラさせながら空を飛んだりビルから落ちても死なないという番組が好きだった。それで、盛土の小山から走って飛び降りたのだが、何度やっても同じようには飛べず、落ちてしまうのが不思議だった。まだニュートン万有引力はぼくの頭脳とは無関係な物を地球に引き寄せていた頃だった。2階建ての木造に住んでいて、階段から何度も飛んだことがあった。自分で飛ぶ限りは割に受け身を使えるのだが、同じ建物の別な家族の子供に突き落とされあtことがあった。何度そういっても、普段から自分で飛び降りていたのでオトナには信じてもらえなかった。人に突き飛ばされると受け身ができず、ひどく頭や体を打って寝込んだ。まだ幼稚園に上がる前だったから欠席・遅刻ということも考えずに寝込むことが可能な頃だった。そう、真剣に当時は「人間は空を飛べる」と信じていた。