ivataxiのブログ

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ルネッサンス

ルネッサンス」美しい響きだ。絵の世界では、ルネッサンス以前は貴族の肖像画を描く宮廷画家が儲かった。農夫を描く画家は貧乏だった。なので茶色や緑の多い農夫や一般の人々の絵よりも、金ぴか貴族の肖像画が多く残る。100年ほど前、ゴッホは一枚も絵が売れずに貧しい中、天才的な絵を多く描いて亡くなった。なので、親族がその絵を所蔵できたわけだ。当時は彼の才能は理解されなかったし、市場的には無価値だった。100年後の現在は、投機的に絵を売買されて、ゴッホの隠された名画ならば、オークションで相当な価格でさばかれるだろう。絵自体の価値ではなく、投機的商品としての絵が売買されて来たという現在までの歴史だ。個人的に20歳で浪人後に大学に入ってからはギャラリーや美術館巡りをしていない。当時は1970年代で、そこでぼくの絵の記憶は止まっている。サイケデリックポップアート全盛の頃で、絵の技術がうまいということではなく、考え方が価値を持つ時代だった。ルネマグリッドの絵を当時は「再現不能」と感じたが、現在はCGが発達して、人間のイメージが容易に表現できるようになる。逆に、その元になるイメージを作り出すことが不作で、過去のイメージを巧みに焼き直すという技術にたけた人々が成功者となる。映画も「バットマン」「スパイダーマン」「アイアンマン」など、過去の漫画家が神に定着したイメージが絵コンテとなって、映画作りがシリーズ化されたものが人気だ。現在も現在の貴族が存在し、彼らの需要を満たすクリエイターが全盛期の時代ではある。