ivataxiのブログ

絵 文章 映画

箕面

17才までは大阪北部に過ごした。秋になると「もみじがり行こう」と、電車で箕面に家族でよく行った。オトナが「行こう」というくらいだから「もみじがり」は素敵なことなんだろう?と、何となく思っていた。駅から箕面の山道をダラダラたくさんの人が歩く。「どこで何を狩るのか?」と、ずっと期待が膨らむ。少し寒く、かといって寒すぎる程はない。「紅葉揚げ」というフライのお菓子を食べる。その辺に落ちている紅葉の葉っぱを天ぷらにした物で、原価は限りなく「ゼロ」に近いはずだ。山猿が人間を恐れない。「サルの縄張りを人間が集団で移動している」という様子だ。時には物を取られたり、襲われることがある。そして、駅まで歩いて降りて来る。「いったい、何を狩ったのか?」という疑問がついに残るのだが、子供の頃はそれを言葉にできない。両親の当時の年齢をとっくに越えた現在、「紅葉狩り」の価値について「なるほど」と、納得できなくもない。一方、小さな子供が「何が面白いの?」と、思う気持ちもわかる。確かに、歩き続ける山道の全方位に紅葉の赤や黄色や茶色や緑の「いとおもしろき光景」が広がってはいた。子供は、美味しい食べ物や乗り物こそを特別と思いがちな頃なのだから。