あんぱん

ダンディーなんて死語なのかも知れないが、そんな男性がいた。アートデレクターとかいう仕事でなんだかわからない。使い走り（無報酬）で「あんぱん」を買いに行かされた。あんぱんが買いに行けない程当時の彼は多忙で、一方こっちは無謀であった。あんぱんを買って来たら喜ぶかと思いきや・・しかられたことが二回に一回。なんで用事を無償でやってるのに怒られるかぁ～と思うとムショウにプンプン来ちゃうのである。どうやら、あんぱんといっても、一つの品種ではない・・というのが彼の怒りの骨子のようだ。そこらへんの一般・シロウト者にはわからない、アンコ及びアズキがツブシかハンゴロシかコシアンなのか・・とか、そんな微妙で些細な舌触りに関するコダワリ・執着・偏執というものも世間には存在するらしい。なので、アンパンを買いに行くにしても、ソコントコロを間違えてはいけない・・ということらしいのだ。それなのに、確かに同じアンコが入っているとはいえ「シロアン」を買っていったりするのだから・・彼の怒り心頭・・無理からぬことだったのかも知れないのである。