参宮橋へ

いつまでも埼玉のおじさんの家に住むこともできなくなった。
叔父さんは酔うと怖い。
ぼくが家中締め切って中にいる深夜、戻り雨戸を叩くので、
抜け出して歩いて池袋まで行ったことがあった。
そんな時、中学の友人が「参宮橋のアパートに代わりに住まないか？」と、持ちかけて来たのだ。
彼はダンサーを目指し、参宮橋に当時あった「劇団四季」になんとかコネを作ろうと、
このロケーションを選んだのだとか？
小田急線の普通で新宿から3つ位の所だ。参宮橋は明治神宮の入口にある。
原宿・代々木の方が有名だ。乗馬倶楽部もあるが、庶民には無関係。
パッとしない駅で2000年に訪れた時もあまり変わらなかった。
電車を使わずに歩けば、渋谷・代々木・原宿・新宿にも行ける。
深夜、表参道を抜け、青山にあるコンビニの走りに酒をみんなで歩いて買いに行ったこともあるが、
戻るとすっかり酔いは覚めていて、また飲み直すハメになる。
まるで今位の冬で、大泉学園の画材店の旦那さんのトラックで家財を運んでもらった。
他の家財は中学の友人から仕送り一ヵ月分で購入した。