ivataxiのブログ

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大きなタケノコ

小学校2年生で、大阪千里ニュータウンの団地に引っ越す。周囲は野山が残っていて、竹山にタケノコを掘りに行く。ぼくは1年生の時に足を手術していて、コルセットを着けていたから、しゃがめない。それを見て「飯場の子供」と、呼ばれた男の子が、大きなタケノコをくれた。少しして同級生で、同じクラスにやって来た彼は、学校で「飯場の子」と、イジメられていたようだ。中学で彼は背がスクスク伸びて、高校には行かなかった。進学で大阪を離れたぼくは、時折、大阪に戻る時古い友人たちで大阪で暮らしている人たちと会うことがあった。タケノコをくれた男の子は、組員になり途中の細部はよくわからないが、抗争で亡くなったと聞いた。タケノコを見ると、楽しそうにタケノコを元気に掘る小学校2年生の彼を思い出すのである。