ivataxiのブログ

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イレズミ オネエマン

峠の集会
どうしてだか峠の細い道を下っている。長い険しい道だ。舗装はされておらず「バイクで来れば良かった」と思う。日本家屋のふすまをブチ抜いた広間に通された。それにしても広い。だがだれも来ていない。少し転寝する。目を開けると薄暗い。少しは人も集まった。見間違いか?江戸の商人の姿の番頭とお女将さんみたいな人が言い争いをしている。遠くでヒトゴトのように聞こえ内容までは聞き取れないがお金のことらしい。まだ世が明けないというのにいつの間にかその会場は一杯だ。いつしか後ろの末席に追いやられていた。みんな若い男の子ばかりで時代はわからないがイニシエの衣装を着ている。戦国時代の少し前あたりか?何かが始まる。みんな居住まいを但し正座で頭を下げる。床の間は自然の崖が正面になっている。先頭の男は少し年を取った身分のありそうな姿だ。裃をつけている。彼だけ頭を上げ「カシコミカシコミ・・」とかいっている。隣の男の子に「バイクで来れば良かったね」というが可笑しな表情で無視された。

床の間に女性的な肢体の男の子が半裸で立っている。クネクネとした動き。頭も剃って体中にイレズミを入れている。今なら「オネェ~マン」という表現もある。床の間の自然石に飛び出た部分を踊りながら飛び上がる。サルノコシカケみたいな踊り場でしばらく踊る。会場の中をイレズミオネェ~マンが走って外へ出た。今までのオゴソカな雰囲気とは違い狂気のように会場の若者たちは踊りながらついて出て行ったきり戻らなかった。ぼくは一人ポツンとそこに残った。