ivataxiのブログ

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スーツにサンタの帽子

スーツにサンタの帽子

大阪のほぼ新大阪あたりで小学校に上がる頃まで過ごした。ぼくらの町をすっかり地面に埋め立てて、その上に新品の新大阪という町を再構築。なので、戻っても思い出と一致する建物も少ない。まだオヤジがぼくを肩車できる軽さだった子供時代、近所で都会の「淡路」という阪急の駅のクリスマス。サラリーマンは七三分けのポマードで固めた髪形。ロイドめがねや丸めがねが多い。「千鳥足」というステップを
踏みながら、淡路の商店街を大声を出しながら、片手にお土産をぶらさげて歩くのが、日本のクリスマス風景。肩車で夜の街を少し高い目線で眺める。どうしてだかぼくは「サンタの靴」を買ってもらう。再生紙の厚紙で作って、外側を赤くデコレーションした物で、上部に網がかけてある。中のお菓子が透けて見える。それを誇らしく手に持っている。後でその靴を履いてみたら壊れた。大人たちを上から見ていると「サンタの帽子」を被った人が多かった。
そんな記憶と同じ風景を昨夜の浜松の町でも見た。
ハロウインで仮装に慣れたのか、町で少し変装するクリスマスの楽しみ。サンタの赤い帽子をかぶったサラリーマン風の人がゆらゆら千鳥足で歩く小雨の町に揺れる深夜。