ivataxiのブログ

絵 文章 映画

フェリー

フェリー
最後にフェリーに乗ったのは14年程前。当時は1300ccのマーチだった。四国に渡りたいので、関空近くから淡路島に向けて。鳴門の橋を渡る方が早いかも知れないが、体が疲れる。1995年の阪神淡路大震災のあと、神戸の青木(おうぎ)のフェリー乗り場が閉鎖され、ショッピングセンターになって、フェリーで四国に渡るのはあきらめていた。今ではフェリーも開通しているようだが、この目で見たわけではない。オヤジは1990年に亡くなり、その弟も昨年亡くなった。仲の良い兄弟。京都に住んだ弟と、大阪に住んだオヤジは、良くフェリーを使った。当時は、飲酒運転天国で、フェリーに乗ってすぐにビールなどを飲んで仮眠をとる。四国についてしばらくは飲酒運転の車が多かったはずだ。個室やそれに近い部屋には乗ったことがなく、大部屋・雑魚寝である。小心なので小さくなって寝る。同じお金を払っていても大きな顔をする家族もある。被災地にいたら生きていけるか自信がない。バブル時代には水中翼船にも乗った。乗っていて、違いはわからない。普通のフェリーで、かまわない。外に出ると、海風。重く湿気ている。海は実は少し丸みを帯びていて、地球は丸いかも知れないとも思うが、どうなんだ?後ろのスクリューでかき混ぜられた水流が遠くに流れて行くのを見る。違う水が流れているはずが、同じ形でいつまでも後ろに流れる。平坦な水面に凹凸ができる。「怪獣がでたらどうしよう」と、つい考える。台風には出航しないだろうから、あまり揺れは気にならない。「大船に乗った気分」だ。最初は、瀬戸大橋もなかった。四国は日本のオーストラリアなのだ。ぼくは日本のアボリジニの遺伝子を持っている。現在は、鳴門にも橋がかかり、フネはその下を航行したりする、過去には考えられなかった情景。村上水軍・山崎水軍・長宗我部などの遺伝子を持つ人々も多いこの一帯。フェリーも発達してもいいのだろうが。