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地域猫・会社勤め

地域猫・会社勤め

「トウフ」と家で勝手に呼んでいるネコを時折見かける。二箇所に分けたエサをちゃんと食べているから家には来ている。だが、彼(大きな男性の印を後ろに持っている)は姿は見せずに家に上がり込む。冷たい雨が降っていたり、余程のことがないと家に上がり込んでくつろぐこともない。でも近寄っても路上のカラス同様恐れることもないから飼い猫で何かの事情があって野良に転身したようだ。なぜトウフなのかというと・・・聞きたいですか?・・っていうか、いいたいです。真っ白な毛並みでもし四角ければ豆腐のようにも見えるからです。近所のそこここに彼ににた真っ白なネコが今年生まれていて、行動半径の広さに舌を巻くのです。彼は飼い猫ではなく野良猫にジャンル訳されるのですが、この辺りには野良猫をのさばれせてはいけないという行政の指示がありました。回覧で回って来たのは知っていました。「野良猫は見つけ次第、保健所行き。あるいは耳を三角に切り目を入れて地域猫の印を付けます。男女(オス・メス)問わず避妊手術をほどこしてまた地域に返します」という御触れだった。「ああそうなんだ?」程度に受け止めた。最近、トウフを見なくなった。生活力があるからどこか他の家で違う名前で呼ばれて生きているだろうとは思っていた。大きな体とは裏腹な子猫みたいなアノ特徴のある鳴き声を聞いた。イヤ、そんな気がした。気にかけているから幻聴かも知れない。でも、夜な夜な飼い猫のメスがうるさい日々が続き、エサの減り方が尋常ではない。別なオスネコが来ているのかと思った。家人が「トウフちゃん来てるよ」と平和にいう。廊下で見たトウフは咳き込んで老人みたいに見えた。というかあんなに健康だったのに、病気をしているように見えたが彼は決して人間に触れさせないから遠くで心配するしかない。横をすれ違った。「あれ?」。彼の耳が三角にカットされているではないか。後ろ姿は立派な男性の袋だが、縦に切れ目があった。とても悲しい後ろ姿だ・・。今、世間では就職氷河期だ。会社が求人的には強い立場だが、行政は「もっと就職させてくれないと票が伸びない」という姿勢を見せる。本来とは違う自分を面接で上手にアピールし、そうと分かっていて会社も雇う。そうでない人々は野に放たれたネコのように扱われた。野良猫のままでは保健所行きだから、地域猫としての生き方しか選択できない・・・ネコも人も・・。