YMO以前

1979年大学4年。僕はロングヘアーを相変わらず伸ばしていた。一年生の中に、もみあげを究極に短くしていた生徒がいた。何だかわからなかった。1980年大学を卒業して入社した印刷会社の広告代理店。最初は部署が分かれるにしても一緒に研修を受けた。ソフトボールを天竜川の河原でするので。ぼくはスカイラインジャパン、もう一人はケンメリ、そして将来その会社の社長予定者がカップルでカローラに乗って抜きつ抜かれつ走った。結果はケンメリ、ぼくそしてカローラ。「おれが社長になったらお前は首だ」と、怒らせてしまった。でも大丈夫。彼が社長になるのを待たずにぼくは2年半で会社を去った。でもその時、カローラの助手席の女の子は社長夫人に収まったようで良かった。お互い車のエアコンを切ってアクセル前回ですぐ横を抜きつ抜かれつしたものだから、車の中からカセットで聞こえた音楽をなぜだか忘れなかった。全く歌がなく聞いたことがない音だった。会社を辞めてからその音楽が「YMO」だと知った。そして、大学の時の後輩の髪型が「テクノカット」だったことも遅れて知ることになる。もうそれからだいぶ経っているけど、YMOの音楽を新鮮な気持ちでYouTubeで聞いて時空をタイムトラベルしているのである。