ivataxiのブログ

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カフカ変身

カフカ 変身
小学校時代、足が悪かった。5年までは運動禁止だった。だから、本来は本など読む性格ではないのだろうが、いつも図書館にいた。知らずに長い時間をすごすうちに、本はたくさん読んだようだ。小学校の頃の記憶だから、定かではないが「カフカの変身」という本は忘れがたい。目覚めると「昆虫になっていた」という、奇妙なイントロ。だが、細部は覚えていなかった。他の人に、エンディングを聞いた。変身して昆虫になった主人公を、単なる昆虫と間違えた家族が撃退するのだという。しかも、みんなでそのあと楽しくハイキング?に出かけるのだとか。ノンビリしたラストだ・・。と、通り過ぎることもできるのだが、何かがひっかかる。ある日、家族が昆虫ではなく「精神障害」「身体障害」「認知症」になっていた・・という風に置き換えたら、怖い話だ。そんな災いに変身した家族がなくなって、他の家族はハッピーと感じる・・という、そんな結末を暗示しているとしたら、アハハ・・と、笑ってばかりもいられない。だから、歴史を超えて読まれる一冊なのかも知れない。