ivataxiのブログ

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カラスのいるゴミの日

ゴミの日にカラスとはちあわせ
普段はゴミを早朝に出す。そんなホコリと生きがいを持つ小市民の一人である。だが、寝坊することだってある。そんな時には、多少の信念は曲げることにしている。遠目にもゴミの袋は少し高く積もっていた。カラスが一羽その小山からピョンピョンと逃げる。人間が去れば、すぐに戻るつもりの間合いだ。ゴミの上には「カラス対策ネット」(パソコン用語ではなく、一時的に勝手につけた名前)が覆っている。それをまずゴミ袋を入れる前にかがんで開く所から、この朝の習慣的・小市民的儀式は始まるのだ。ネットに触れる直前に、大きく黒い邪悪な塊が、ゴミの小山から飛び出した。人間の来るのを、ゴミとの格闘で気づかなかったカラスがいたことを、ゴミの山に隠れていたことを気づかなかった人間とが、フイに対面してしまったという瞬間なのであった。そのカラスほどではないにしろ、少し驚いて後ずさったのである。ゴミを置き、ネットをかぶせ立ち去る。見てはいないが、後ろに、またゴミに近づく二羽のカラスがいるのを感じた。