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バスタブ ブラックホール

バスタブのブラックホール 、平坦な水面に小さなへこみが生まれる。やがて、そのへこみから、排水溝にかけて糸状のラセンが伸びて、腰を振るみたいに揺らぐ。へこみははっきりとしたくぼみになる。ラセンも横から形状がはっきりと見てとれる。ほとんど水量が無くなる頃には、排水溝に小さな穴でこちらの世界とつながるのが見える。バスタブのお湯がなくなると、それはあちら側の世界へ行ってしまったということだ。宇宙空間はわからないことで満ちている。光さえ吸い込むブラックホールは見えないが、排水溝に消えていったバスタブのお湯たちが、その答えを知っているようにも思える。