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ジブリアニメ・千と千尋の神隠し 名前・アイデンテティー

アニメ「千と千尋の神隠し」は地デジ化録画で見た。ジブリ宮崎駿作品だがキャラクターは可愛いとは一概にはいえない。千尋という女の子が迷い込んだ土地で名前を奪われ「千」と呼ばれこき使われる日々。次第に自分が何だかわからなくなる。アイデンテティーの喪失という奴だ。両親は無料で料理を食べたからかブタに変身させられた。最初は両親を何とか救い出そうという意図もあったのだがそれも忘れた。二等親のキャラの世界で昔の日本のようでもありそうでもないようなリアルな擬似世界だ。妖怪変化のような容姿のキャラにも誰も驚かない。湯婆婆というそのお風呂を中心とした旅館の取り仕切り役が好き放題にやっている世界だ。坊と呼ばれる子供は赤ちゃんの姿だがやけに大きく途中からトリに變化したままその姿が気に入り定着する。顔無しというノッペリした無表情なキャラは飲み込むたびにその飲み込んだキャラの話し方や声を吸収してマネて行く。体からみんなを自由に操れる金を出すことができて大方の人は手中に収め自らはドンドン肥大化してやまない・・。だが、千には金の魅力・魔力は効かなかった。顔無しは飲み込んだ人々を吐き出し元の等身大のノッペリ顔に戻り千と共に湯婆婆の双子の姉妹に会いに行く。顔無しはそこで居場所を見つける。ハクという名前のイケメンの少年が千を助ける。なぜだかハクは湯婆婆のいいなりになっていて、竜に變化して超能力を使うことができた。ハクは実は川だったことに気づく。自分の名前を叫ぶと龍はウロコをばらまいた・・。千も自分が盗みとられた「千尋」という名前を取り戻す。両親を救い出そうという志も思い出す。ナゼかはわからないが、すべてが何もなかったようにハッピーエンド。毎日毎日目の前のこと、今月の支払い、人からどう見られるか、ちょっとでも優越感を持てる立場になりたい・・・などなどに大事な自分の生まれた意味を忘れて、擦り切れてしまって名前を忘れて彷徨う少女と同じ心になってはいないだろうか?と、少し立ち止まって考えてしまうアニメなのだ。