ivataxiのブログ

絵 文章 映画

麻酔から蘇生できない時間

2009年06月24日
体から離れた間の体験 「都市伝説(63)」 [ カテゴリ未分類 ]
手術後、意識が戻らず、体から離れている間に見ていた記憶


かに
かには、すし屋のような料理屋のいけすの中に、透明な四角い皿のような物に一匹だけ残っていた。その皿は、無造作にいけすの端にひっかけられた状態で斜めに水面に浮いていた。いけすの魚が時折その平たい皿を下からつつく。ぐらっと揺れて斜めになった皿の角にたまった水の中に滑り落ちそうになる。その水は腐っていた。足で落ちないようにするのだが、だんだん水に入ってしまう。頭の大きなかには、珍しい形だ。時折カウンターの中の二人の板さんと目が合う。「次はオマエを料理してやっかんな」という目だ。だが、お客さんはあまりいないし、一匹しか残っていないカニを誰が好き好んで食べるか?だが、もう力尽きた、腐った水の中に落ちてゆく「ブクブク・・」そこで、一つの「生」が終わった


くらげ
前回の「かにの夢」と同じ(夢?臨死体験?)、「クラゲの夢」。波間に漂っていて、砂浜に打ち上げられてしまったクラゲ・・。水の中ならユラユラ泳げるのだが、陸に打ち上げられると、筋肉もないし・・無重力の星に育った宇宙人の地球漂流のように、立ち上がることさえできない。幸い夜打ち上げられたので、朝までのしばらくは命もあるだろう。夜光虫が光る波間は静かに打ち上げては引いて行く。次第に波は、クラゲから遠ざかる。朝になり太陽が斜めに光をさしながら昇って来る。段々気温も上昇する。あらかた水分も抜けてしまったクラゲだが、まだ命があった。でも、そう長くは持たないように思った。


くじら
病院で意識がなかった時見ていた夢。三途の川は渡るものだと思っていた。だが、川をもぐってしまった。中には、クジラ(小さい)やイルカが泳いでいる。なぜだか意思の疎通ができる。「すごく昔、この川にはクジラやイルカが上がって、自由に泳いでいた」のだという。急に川よりもずっと上空にいて、見下ろすと、葦がたくさん生えていて、うっすらとクジラの形に見えた。クジラたちの残留思念だったのだろうか?


侍 二刀流 旅の女二人
峠を降りる二刀流の侍の夢。峠を、足取りも危なげに小走りに登って来る二人の女たち。身分の良さが着物に出ている。俺は、浪人者だ。二刀流では、それなりの自信があった。女たちは誰かに追われているのか、後ろを振り返りながら俺にたどりついた。その後ろを、若い身なりの良い侍二人が抜き身をギラつかせて追いつこうとしていた。女の一人が、俺の左の腕にすがりついた。そして、その後ろにもう一人の女(おそらく姫?)が、寄り添うように隠れた。左腕が女にしがみつかれて使えない。一人目の若侍の太刀を右で受け止めた所まではわかる・・。だが、恐らくもう一人の侍の太刀が俺を絶命させたのだろう、記憶はそこまでだ。一人目の女の顔も、二人目の女の顔も、はっきりとは見ていない。だが、俺が絶命した、すぐそのあとで、二人の侍に捕らえられただろう。・・いや、そんなことはないのかも知れない。誇りある自害を選んだかも知れない・・そんな時代だ。「袖すりあうも他生の縁」。他生とは・・もしも輪廻転生というものがあるならば、また、別の生でも出あっていたのかも知れない・・という縁を袖がすりあっただけで、感じるということなのか。輪廻転生・他生というものがあるならば、この顔もみたことがなく、言葉も交わすことのなかった二刀流の侍のことを、他生で見つけることがあるのだろうか。その時代が、刀の時代でなかったとしても、この二人の女と出会い、また、命を賭して守ってみたいものだ・・と、薄らぐ意識で感じていた。


峠の老女
病院で意識をなくしている間の夢。日本の昔なのだろう、峠には男とその母親二人で住んでいたようだ。着物が古い昔の模様。峠には夜霧が沸いていた。切り立った崖の端に母親が立っている。だが、長く住んだ母親のこと、何も心配はない。「のう。今生ばかりではないのだろう?」と、なぜか男はそんなことをいった。安心していたのもつかの間だった。まさか・・。老婆はいなくなっていた。自分から飛び降りたのかも知れなかった。だが、足元は夜霧で、すっかり隠されていた。一人残った男は、空しく夜空に「のう。今生ばかりではないのだろう?」・・と、もう一度いった。


心の離脱?冷凍車
今年の初め手術の後、意識も戻り幽体離脱もなくなったと思った頃、心が幽体からさらに離脱してしまったようだった。その日は、ひどく落ち込んでいたから、淋しさを抑えることができなかった。離脱した心は、魂の尾がなく、自力で肉体に戻ることができないようなのだ。さらに、一日ほどしか肉体から離れて活動できず、心を食う輩も存在するみたいだ。体と魂だけ生きていても、心が死んだ状態というのもあるのかも?幽体から離脱した心だけの状態は、肉体とも幽体とも少し姿が違う(性別も?)。なぜだか、アメリカのスラム街のアイスクリームの保冷車のドアが開き、そこからドサっと投げ出された・・。どうやって幽体・肉体に戻れたのかは不明。看護師さんたちの中に、すごく力のある人がいたようなのだが。


クモザル 深夜の病院
今年入院し、幽体離脱をたぶん体験していた話シリーズ。体に幽体はもどったが「心」だけ、幽体から離脱してしまった。「心」は、寝ているベッドの下に最初は落ちていたのだが、やがて階下との中間に落ちてしまった。「心」は、幽体と違い「魂の尾」がついておらず、自分の力では戻れなかった。そこには「心」を食らう妖怪がいた。一応「クモザル」と、名前をつけよう。(村上春樹氏の夜のクモザルの影響?)「心」は丸一日以内に、体に戻れないと、どうやら弱ってしまうか、この妖怪の餌食になるようなのだ。すると、体は生きているのに魂が抜けたままの状態に陥るみたいなのだった。「にっこちゃん日記」過去ログより