ivataxiのブログ

絵 文章 映画

前世

カニ
前世というと人間だけとも思う。だが動物だったこともあるのかも?
水槽(イケス)には調理されるのを待つ魚たちがいる。その水面のふちに斜めに透明な平たい容器が半分浮かべて斜めになっている。少し水も入っているが温んでいる。カニが一匹いる。甲羅の大きなそんなにおいしそうなカニではない。板さんは二人。時折こっちをにらむ。「次料理してやっかんな」という表情。足で斜めになった容器の水に入らないようにつっぱっている。その水は腐っている。だがイケスの魚は鼻先で容器をしたからツッツクものだから段々下がってしまう。「ああもうだめだ」。その腐った水に入ってしまった。カニの死・・。


イルカ・クジラ
「三途の川」は船で渡ると以前聞いたことがある。これがその川なのかどうなのかはわからない。大きな海かと思うほどの川の上空から下を見下ろしている。時代の流れが超早回しで見てとれた。海のように大きかった川は次第に小さく浅くなり蛇行して草が生えた。一気に水中に落ちる。だが冷たくもなく呼吸の心配もない。水の中は明るいプールの中みたいだ。人懐っこいクジラとイルカがたくさん遊んでいる。追いかけっこやターンをくりかえす。だが段々水も浅くなり大きなクジラはいなくなる。やがてイルカが数頭残る。そして誰もいなくなった。水中から空中に飛ぶ。上空から見る川は現在の川と似た小さな姿。葦が生えた形がクジラの形に見えた。「ぼくらのこと覚えておいてね」とどこからか声が聞こえた。


クラゲ
水の中ならユラユラ泳げる。だが波打ち際に打ち上げられてしまった。波は近くまで来るが体を海へもどしてはくれない。夜になり夜光虫が光りきれいだ。波はどんどん下がってゆく。朝だ。太陽が強くなり水分が抜ける。もし今海に戻れてもたぶん泳ぐ力もないだろう。次に波が来るまではもちそうにない。クラゲの死・・・。