ivataxiのブログ

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二人姫 ソウルメイト

「心の旅」は、チューリップの曲だが今回は体から魂(タマノオがついた奴)が離れているあいだのこと。本人の主観はクリア(肉体がなく精神・知覚だけの存在)なのだが現実世界は手術が終わり「24時間で意識が回復しないと植物人間になる可能性が高い(脳死判定)」と家族は医師にいわれたようだったと後で聞いた。ただ非常にマレなケースでもし回復すれば医師にとっても病院・学会にとっても良いことのようだった。肉体は「心ここになし」という感じでまるで物体のようでいつもとは違うようだった。

肉体を離れ魂の自分自身は・・・・・
ともかく丘の茶屋で休むオレは二刀流の浪人。見下ろすと女二人が旅支度で急いで丘を登るのが見える。少し遅れてヤイバの抜き身をギラつかせた若い侍二人の追っ手。

一人の姫がオレの後ろに回り込む。左手をしっかりと掴むものだから二刀流が封じられてしまう。もう一人の姫もその後ろに隠れた。面識のないこの二人を守ってオレは二人の若侍の敵としてヤイバをまみえることになってしまった。浪人者のオレは名乗ることもない。若侍たちは良き君主に仕えているのか身分が衣服と綺麗に刈られた髪型に見て取ることができる。腕はオレの方が上と観たが、何しろ片腕はしっかりと姫が固定して使えないから不利ではあるがやってみないとわからない勝敗である。後ろを振り向くがどうしても顔を上げて二人の姫の顔までは確認できない。まるでカナシバリに会ったみたいに自由に首が動かないのだ。しかし姫たちの若さや育ちの良さは首から下のたたずまいの良さに見える。訳は聞いてもいうまい。オレは浪人分際を頼ってくれたこの二人の無力な若い姫たちに命を預ける気持ちに変わっていった。

どうにか右腕だけで刀を抜いて受け身を取った。先についた若侍の一つ目の太刀は止めた。だがすぐに追いついたもう一人のサムライの太刀は防げなかった。おそらくそれでオレは絶命したのだろうか?残された女二人はどうなった?それは見ることはできない。だが捕まることはないだろう。あの高貴な仕草。恐らく自害したにちがいない。「なぜオレなんかを頼った?」もしも輪廻転生・後生というものがあるのならまた会って聞いてみたいものだ。たとえその時代には刀の力は役に立たなかったとしても。