ivataxiのブログ

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水仙

本来は水辺に似合う花である水仙(すいせん)だが、水辺のない道にも植えられていたりもする。ひまわりのような目を引く黄色ではない、少し控えめなレモンイエローの花である。柔らかくひねった細い葉はふんわりと立ち上がりしなだれかかる。葉の色も椿のように濃い主張を持たず、まだ未成熟なのではないか?と思わせる弱い緑色をしている。普段着のように気をてらっていない、一緒にいて疲れない色合いの花なのだ。ヒマワリは首を常に太陽に向けて積極的な姿勢だが、水仙は恥ずかしそうに首を少しうなだれているのだ。「どうぞお先に」といっているようで、放っておけないいじらしさがある。もっと近寄れるなら、かすかに香る。好みはあるだろうがきっと嫌いじゃない香りだと思うのだが。