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治郎柿原木

(森町教育委員会
世界に一本しかない「治郎柿原木」の物語を記します。
今から170年前。天保末年(1844年12月2兵改元改化)当所に住んでいた松本治郎は、自家の田圃・たんぼの荒田耕しの中に、発芽した柿の小苗/甲折「かんたく双葉状」/をへっけん。土塊/どかい/にして家に持ち帰りここに植えました。その後、家普請/いえぶしん/で伐採されてしまいましたが、運よく縁の下から萌芽成長/ほうがせいちょう/して結実しました。子息の松五郎と惣吉が早々に食したところ、渋みはなく、大層甘味(たいそうかんみ)なものでした。これを聞きつけた下宿の万年屋や角力屋(すもうや)がいち早く接ぎ接ぎ木をし、原木は近隣に広く知れ渡りました。しかし、正式な名称はなく、松本治郎に因み(ちなみ)「治ン郎柿(じんろうがき)」「次ン郎(じんろう)」「甚郎柿(じんろうがき)」などと呼ばれ記されていました。