バタークリームケーキ

「いつかは生クリームケーキ」と、思いつつ、母親の手作りのお手伝いで「バタークリームケーキ」を作った。男子二人の兄弟なのにおかしな家だと思ったかな？その後、料理に目覚めることもなく、無芸大食の人生である。ともかく、母が外に働きに出ることになった中学までのことだ。レシピというのはよくわからない。卵は白身とキミに分けたと思った。白身はホイップというのだろうか、針金の抹茶をたてるみたいなので空気を入れて行く。キミは結局バターと馴染ませたような気がする。スポンジは食器を洗う方じゃなくて、ケーキの基礎部分だ。こいつは小麦粉をふるいにかけた。お砂糖とか色んな調合は謎。ともかく、オーブンなんてないから、何で調理したんだっけ？自作なので、ベースもムラがある。こげたりもする。飾り付けは、生クリームじゃなくて、卵白のなにがしだっただろう。三角錐の先を切り、ギザギザに出るようなアタッチメントを付けて、ぷちゅっと出す。チョコは使わず、飾りのサンタがチョコだったかも知れない。細い色付きのろうそくをたてる。キャンドルじゃなくてローソクね。どこのお母さんもそうだと思うが、綺麗に丸いケーキは三角に当分に分割される。ちょっと、生クリームと比べてザラっとしていて、でも濃いお腹に十分満足感のある食感だった。今ではバタークリームケーキはすっかり生クリームのケーキに淘汰された。ニホンザリガニがアメリカザリガニに淘汰されたのと似ている。冷凍保存の技術や配送システムが飛躍的にネットワークされて、あまり持ちの良くない生クリーム全盛時代にいつしかと突入して久しい。「そういえばバタークリームケーキの味って、どんなだっけ？」と、懐かしくも思うこの頃だ。