ivataxiのブログ

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ママチャリ 昼ね

昼寝にあきて、愛用のママチャリで外に出る
昼寝に飽きたので、マウンテンバイクのタイヤをはいた愛用のママチャリで外に出る。寝起きというかパジャマ的な服装だ。空には「こいのぼり」が、所により勢い良く上がっているが、風が切ないほど少ないので、一体いつになったら風に泳ぐのだろう・・と心配だ。団地で育った男二人兄弟だったので「コイノボリ」とはいえ、プラスチックのサオに小さなメザシみたいなのが二つついたのを、画一化された団地の窓から差し出していた。道には個性的な「オープンカー」や「カスタムバイク」も珍しく走っている。バイクのツナギは恥ずかしいくらいに真新しく、タイヤの横はまったく磨り減っていない。「大きいスクーターに二人乗り」とか、犬と共に夫婦で散歩というのも、降り注ぐ太陽と涼風のこの日には、良いかも知れない。統廃合された自動車のディーラ-の横を通過する。すっかり飾り気を取り払い、大きなガラスの室内の暗さが、町に現れた巨大な昼の鏡のようだ。誰かそこに映っている。「パジャマみたいな格好で古いママチャリに乗った風采の上がらない見慣れた人物」だった。忘れたことを思い出した・・それは、リアルタイムの自分の姿だった。