ivataxiのブログ

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ドアを突き抜ける黒い霧

ポスティングでポストにチラシを配っていた。そこ知人の家だ。階段を少し登ったところに玄関のドアがある。そのドアに対して横向きにポストに入れるような不自然な作りの家だ。ドアは閉まっていて、ポストにチラシを入れようとした時、見えるはずの無い「黒い影」が部屋の中から勢い良くこちらに向かって跳びかかって来る気配を感じてしまった。その物体(黒い影)に実体があるならばドアがさえぎって守ってくれるはずだった。だが、身の危険を感じて階段から飛び降りた。次の瞬間、その「悪意の塊のような黒い影の気配」はドアを突き抜けた。目では見えないが、その気配はわかった。あとで戻って家族にその話をした。きっと頭がおかしいと思われただろう。すっかりそのことを忘れていたのだが、少ししてそこの家の奥さんはその家を出て一人暮らしを始めたと聞いた。さらにもう少し時が経ち、息子さんも母親を頼って母親と暮らすようになったとも聞いた。何かの用事で、息子さんだけ実家に泊まることになったそうだ。朝になって、彼は冷たくなっていたという。原因不明だったようだ。ぼくの感じたあの「黒い煙」は一体、何だったのか?と、時々思うのだが。