ivataxiのブログ

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葉山 タコス

葉山 タコス

学生時代には免許もクルマも持っていなかった。
逆に先輩や同輩でクルマを持っている人々は王家の権力を持ったような物だった。
大学は海にも山にも近い。夏だったのだろう。
その日は同好会で数台のクルマを出すというので、ついでに混ぜてもらった。
誰がどんなクルマを持っていたのかということは記憶にない。
当時はまだ、免許にもクルマにも興味がなかったのだ。
ただ、海の見える喫茶店・レストラン巡り、
どこかの店ではタコスを食べたということは覚えている。
タコスは僕にとってはあまり美味しい記憶ではなく、
以後好んで食べようとは思わない物だった。
それはメキシコみたいなイメージで、
中国の揚春巻の一種なのかもしれないとも思えた。
誰が誰の彼女とか、まだ未定の頃であった。
恋人募集中の輩はアピールが激しいが、感情表現の下手な集いなのであった。
葉山という地名が少しカッコイイ。皇族の匂いがする。
まだ加山雄三がホテルを茅ヶ崎の海岸に持っていた。
この記憶のいろんな物がすでに失われてしまったのだが。
その一番は「自分の若さ」である。
毎日、学校の部室に行けばみんなに会えると思っていた頃のこと。