ivataxiのブログ

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入院 精神的なこと

頼むこと
動けない。ベッドに拘束具があり、非常に限られた動きしかできない。物一つ動かすにも誰かの世話になる。「お願いします」と「ありがとう」はいつも言う。悪いことではない気がする。

病院のいいところ
病室なんていいことがあるはずがない。でも、お見舞いタイムには「善男善女」が押し寄せる。どの家族もぶっきらぼうながら、なんだか優しい。食べ物はなんだっておいしい。人の手が暖かい…もう充分だろう。病室のいいところなんて・・。

人格減少
自慢じゃないが金はない。だが、人格だけは負けないくらいに多い。それってヤバくない√?とも思ってはいた。しかし、今回頭を割って見て、少なくとも人格が減った。ほぼ当たり前に。だけどしゃべれば「おかしなことをいう」と、いわれる。「馬鹿だな~それは以前から」といいたい。でも入院が長引いても困る。なので大人しくしています。

 

縄張り1
相変わらず病室は退屈である。食堂の漫画は読破した。手紙を書いたりするのには、病室より、食堂がいいみたい。でも、他の病室の患者の無礼な態度には閉口して、かといって争うこともない。先にテレビを見ている女性がいた。あとから来た男性患者が、リモコンで勝手にチャンネルを変えた。女性は立ち上がり食堂を出た。男性は最初女性が見ていたチャンネルに戻して見ていた。ということは、彼がいやだったのは番組ではなかったということのようだ。しかし、何もなかったように食堂にい続けるのだ。小さな所にさえ「縄張り意識」を満足させないと済まない人もいる。病院なんて食堂くらいしか行く所ないので、嫌な光景を見ても、やはりまた行くのだろう。

ナワバリ2
食堂に来て「テレビの番組チャンネル主導権争い」というのが、何となくいやだ。テレビは何でも取りあえず着いていれば満足な方なのだ。だが、対等であるべき患者・見舞い客など同士のチャンネル争奪戦=「ナワバリ争い」というのを目にするのがつらい。常にナワバリを張る人物と、食堂で二人きりになった。ナゼだかテレビは着けていなかった。意外にも「本当はテレビなんか見たくはない」のだという。その患者さんの病気・手術・職業などについて、ひたすら聞いていたら、かなり長い話になっていた。だが、どうやら機嫌は良くなったようである。その後、通路などですれ違っても「よう!」と、もっと話し込みたいような風なのである。悪い人じゃなかった・・でも、人は話さないとなかなか見た目だけでは判断できないのかも知れないとも思えた。

やさしさ
この頃、看護師さんたちとあまり話さなくなった。どうしてか?考えてみた。少し前まで、拘束具付きベッドで、上向きに寝ていた。オムツに尿の管も点滴も付いていた。だから、看護師さんたちがいないと、何もできないのだった。それが今は、自分の足で立ち上がり、二足歩行を開始している。1日だけ車椅子だった。立ち上がるだけで、ふらついて、転倒の可能性があったからだ。いわば今、何でも自分でできるようにならないといけない時。知らない顔をしているようで、むやみに補助しないように看護師さんたちも横目に見ているのかもしれない。としたら、それも「優しさ」なのだろう