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色川武大

色川武大
色川武大氏の作品はちゃんと読んだことがなく、エッセイを知人から借り、時間つぶしのつもりで読んだことがあった。でも、その時も心に何かひっかかった。今回も、トーストを食べながら、ただつけて見ていたNHKの朝の番組(タニケイさんの)だった。色川武大氏についてだった。「俺は遊び人だから」と、以前読んだエッセイにはあり、そんなイメージばかりが強かった。戦時下の軍人の家に生まれた彼だが、中学で文芸誌を作っていたという。それが「戦争非協力」の烙印を押されることになるとは・・。「永久休学」と、学校に言い渡されたのだとか。軍人の家でも、彼は居場所がなく、永久休学なので学校にも行けない。(現在の不登校とは、事情が違う)「俺は誰からも愛されない。戦争が終わらなければ一生中学生のままだ」という絶望感の毎日だったようだ。それは彼が14・15歳の頃である。多感な頃のこんな仕打ち・周囲からの歪曲した視線は、彼の以降の性格形成に変化を与えたにちがいない。「俺は人と同じことはできない。そうだスリになろう」とスリを目指したりもした。だが、スリもばくち打ちも彼の本来の性格には合わなかった。「そうだ、こんな俺でも字くらいは書けるだろう」と、文学の世界に入ったのだという。睡眠異常にも悩ませれ、だが、文学での評価は花開いた。良かった!幾多の賞を受賞し、60歳の若い人生を閉じたのだという。